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操体医学研究所 今治療室
 
操体医学研究所 今治療室
 
   

温古堂ものがたり写真・操体医学研究所 今治療室
1.おんころや先生
2.俺怒ってるんでネェんだ
3.操体法
4.サカサマ 不思議
5.何んぼ言ってもワガンネェ
6.パンク
7.捻挫
8.くすぐり
9.ア・イ・ウ・エ・オ
10.クシャミ

温古堂ものがたり・操体医学研究所 今治療室



 
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2.俺怒ってるんでネェんだ・温古堂ものがたり・操体医学研究所 今治療室     翁先生・温古堂ものがたり・操体医学研究所 今治療室

翁先生は赤ン坊がだーい好きだ。


温古堂には、赤ちゃんをオンブした御婦人など治療に来る。
すると治療などには目もくれず、

    メンコ、 メンコ

と愛想をふりまき、赤チャンの気を引こうと懸命だ。

お母さんが治療中赤チャンは、翁先生の座っている火鉢のまわりに、色んな物があるのでおもしろくて仕方ないらしく、ここぞとばかり遊びまくる。
翁先生も一緒になってハヤシたてるものだから、赤チャンもその気になってメチャクチャに荒らしまくる。

当人同士はいいだろうが、お母さんは治療台の上で気が気ではない。
「 何んか壊したりしたらどうしよう」とか治療になんかなりゃしない。

そうこうするうちに、何とか指導も終わり、帰り際に別れのアクシュ。
二人共おもいきりニコニコしながら

    またおいでよォー!」

で一件落着。   

……オダイジニ。




初めての患者(腰痛)



初めて操体の治療を受ける人は、温古堂に入るなりボォーッとしていて、「何をされるのかなぁ」とか「痛いことされるんじゃないかなぁ」とか苦痛と不安の中でベットに横たわる。
翁先生がヌッと立ち上がり、

    「ハイ膝立てて下さい」

と最初はやさしく言う。

    「絶対痛いコトしないから」

と言いながら膝の両裏を手でさぐる。(左側圧痛)

「イデデデェー 」

と体を弓なりに反らして、患者さんは苦痛をこらえきれず逃げる。
(この先生ウソついた)

     「こんなにイデグなってんだもの、

     足が悪いんだ、足がこの左足」。

ビックリして患者は目を白黒させる。

     「このカカト少し引いて……」。

手で足のマネしながら、

     「こういう風にカカト踏んで、

     足先上げてごらんなさい」。

「カカト踏んで」と言ってるいのに、中にはカカトを持ち上げ人もいる。
すると「バシッ!」と右手で患者のモモをなでる?

     「人の言わねゴド、スンナ」。

怒鳴り声がトナリの外科までヒビキワタル。

患者は何がなんだか分からなくなり、さらにボー然となる。
泣き出す人も中にはいる。
たいていの人は、ボー然としまがらも、何とかうまく動けるようになってくる。

     「ハイ、つま先上げてェー。

     キモチヨク全身で動いていいですよォ」

     ……

     「ハイ、ストン。…ようし、うまい!」。

そしてまた膝のウラをさぐる。

     「ほら、いでぐネェ」。

……「アレッ、痛くない」。

    「立って歩ってみなさい」。


患者は聞き取れないのか、歩こうとしない。すると、

     「立って歩ってみろって!」

と又怒鳴られる。「ハイッ」と元気に立ち歩く。

     「どうですか。まだ痛いかな?」。

     「今度はしゃがんだり、
     立ったりしてみなさい」。


またまたボオーッとしていて、しゃがもうとしない。
すると又怒鳴られる。
三回怒鳴られる人はあまりいないが、一回二回はザラだ。

それで結構良くなってくる。



その後私が、試行錯誤しながら治療、指導と承る。
私の仕事は、キモチイイという感覚を指導することにある。
これは翁先生の命令ダ。

最近では、けっこうワイワイ楽しくやれるようになってきたが、まあまあ、ムズカシイコト。

一度受付のミヨチャンが翁先生に「どうして、あんなに怒るの?」と、尋ねた事があった。すると先生いわく

     「俺怒ってるんでネェんだ。

     ついオッキイ声
     出てしまうだけなんだから」

と、怒鳴る時とは全く違ったトボケた表情でいいわけする。

うんとやさしい瞳で……。


午後一時になると、翁先生は極楽へひとやすみに行く。(極楽とは住まいの十階の自宅である) 帰り際には、私達やお客さんにまるで天皇陛下が手をお振りになるように、

     「ど〜も、ど〜も」

と帰ってゆく。
いつになっても頭のひくい先生だ。



昼食は、信先生の奥さんが毎日腕によりをかけて、おいしいご馳走を作って下さる。私達も一緒にいただく。
焼き魚は焼きたてがうまいし、煮魚は煮こぼれが出来るくらいになってからがうまい」と翁先生は、 昔トノ様だったオジイサンから教わったそうだ。
翁先生は焼き魚を食べる時、まず、カワを食べる。次にホネだ。
バリバリと噛み砕き食べる。中身はキレイに残し私にくれるのだ。

食べ終えると翁先生は、ウトウトし始め、

画像・温古堂ものがたり・操体医学研究所 今治療室

    「起きていらんネェ〜」

と言って、自室のベットに横たわる。

    「あ〜極楽だあ」

と言いながら眠りにつく。

……おやすみなさい。


午後三時。
エレベーターで温古堂に御出勤。
パタ〜ン、パタ〜ンといつもの耳慣れた足音が近づいて来て、例の天皇陛下手振りで、

     「ド〜モ、ド〜モ」

と火鉢の前の指定席にアグラをかく。

     「何かそこにウメエものネェが」

と火鉢のそばの菓子入れをのぞく。

翁先生はアンコものが大好きだ。しかし白アンはなぜか食べない。
量的にはあまり食べないが、いろんなものを少しずつ、いたずらするようにつっつく。残りものはすべて私にまわってくるのだ。

     「うまい味だけは、
     いっくら年とったって
     わかるんだから、
     ありがたいもんダ」

と感謝感激を忘れない。

そして又、お客さんや患者さんとのお話が始まる。

 

 

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初出 研究誌「操体 SOTAI」1986年
『操体法治療室』三浦寛・今昭宏/共著 第一章「温古堂ものがたり」  たにぐち書店
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