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桃生町勉強会 2002年11月21日 今昭宏 

宮城県桃生町、向永井老人憩いの家にて
 
桃生町では、年に数回操体の勉強会があります。
今日は、地区の会場に行く前に、町の二人の保健師さんと食事をしながらお話しをしました。

そんな中、ひとりの保健師さんが言いました。
「せんせ、となりの豊里町はすごいですねぇ、聞いてますか?」
とわけのわからないことを言いました。

「はぁ?、なにがですか?」と私。

「あら、聞いてなかったですかぁ、豊里町は宮城県で筋骨格系の医療費が、もう6年間も連続で最低額なんですよぉ」といいました。

「初耳でしたぁ」(^_^;と私。
「せんせが豊里に毎月出向いて操体をやっているからですよぉ」

「そうかなぁ? でも確かにもう15年位通っていて、町の隅々まで歩きましたけど・・・」

本当に操体の影響なのかどうかはわかりませんが、こういう話は、聞かされただけで、ものすごく励みになる感じがして、思わず泣いてしまいました。(ウソ)(^^)

なんとなくうれしい気持になりました。(^^)


さて、勉強会です。
会場は「向永井老人憩いの家」というところで、20畳位の和室に囲炉裏まである集会所みたいな古い建物でした。

ほとんどがおばちゃんで、男性が3人、全員で25人程でした。

始まる前、「せまいなぁ」と思ったのですが、言っても部屋が広がるわけでもないので言わないで、みんなの顔をキョロキョロ見てコーヒーをいただき、「何からはじめようかなぁ」と思って遊んでいました。

保健師さんが超簡単に私を紹介し、「ではせんせ、お願いしますー」とすぐに始まりました。

「なにしましょ?(^^)、操体って初めての人はどれくらいいるのかなぁ?」
私は手を挙げていいました。
7〜8人手を挙げました。
「わかりました。では簡単にですが、どんなことをやるのかを覚えてから操法をやりましょう」
「まずこうして右手を挙げてみてください」
思い思いの格好で上手に手を挙げるみんな。
「はい、その挙げた感じを覚えておいて、今度は左を挙げてぇ」
「どっちが挙げやすいかわかったかなぁ」(^^)
「右っ」o(^-^)oとか「左っ」(⌒∇⌒)とかいってわかったことを自慢するおばちゃんたち。
なんか、幼稚園のせんせになったような不思議な気分。(^^)
そう言えば、五歳くらいの女の子も来ていました。

「どっちもなんともなく挙がる人はバランスがいいんです」
「では、挙げにくい方があったら、どうしたらいいかな? 」
私は、操体がはじめてのおねえさんを指さして聞きました。
首をかしげて、おねえさんはニッコリして「・・・・? 」でした。

私は「挙げにくいんだから、挙げる練習をしなければだめだよね」といいました。
約半数の人は、ウンウンと「あたりまえだ」とでも言いたげな顔でうなづきました。

腕を組んで私は「んじゃあもし、挙げやすい方を挙げる練習をした方が早く治ると言われたらどう思いますか?」とききました。

「そんなことがあるはずがない」とでも言いたげな半数の人。

「本当は、挙げやすい方を上げた方がいいんですよ」(^^)
「今日は、そういうホントのことを覚えて帰ってくださいね」

「ではだれか、どこか調子の悪い人出てきてみてください」

手を挙げる話しをしたからなのか、おもしろいもので、右手が10ヶ月前から痛くて挙がらなくなったというおばちゃんが「五十肩なんですぅ」とにこにこホイホイ出てきました。

仰向けになってもらい、膝ウラを調べると右ウラにこりがあって、押さえたら、イデデーッと顔をしかめました。

私は「ここが痛くなっているからねぇ、足が悪いんだなこれは」
とこりを押さえたまま、さっきの説明の手前「その左の手を挙げてみてぇ」といいました。
左手を挙げたときに、膝ウラのコリがすっかり消えました。
ためしに、挙げにくい右手を挙げてもらうと膝ウラはごりごりに痛くなることも確認しました。
「おもしろいでしょう(^^)、この膝のコリが、左手を挙げると消えてしまうんだもんねぇ(^^)」

などと、せんせがおもしろがってやるもんで、見ている人も、ついその気になってしまいます。
全体がその気になると、場の空気がとてつもないパワーをもち、それぞれの身心に、おのずと好影響を与えてしまうから不思議です。

(環境の快感へと話が少し脱線。でもきっと大切なこと(^^))

「あれっ、それじゃあどうしたら治るんだっけぇ? 」とテストする私。
「左を挙げる?」とほぼ全員。
「みんなすごいねぇ、覚えるのが早いなぁ」と感心する私。
「では、やってみましょう、左手を挙げていって、
 背伸びでもするように気持ちよく動いてぇ
 ・・・イイ感じあるかなぁ?

     (はい)

 そのまま味わってぇ
 ・・・抜きたくなったらフッと力を抜いてぇ」

「うまいうまい」。
この時点で膝ウラのコリが半分になりました。
同じようにもう一回背伸びをやり、膝ウラくにゃくにゃ。

「今度は右手を挙げてみてぇ」
「まだちょっと痛いけど、上がりは大部良くなりました」とおばちゃん。

つぎにかわの操体、右前腕と上腕。前腕の内ずらしがイヤな感じで、そのままにしておいて、外ねじりをしてもらったらイイ感じ。
脱力して、試しに挙げてもらったけど変化なし。(^_^;)
しかたがないので、首と肩、背中を触診してみることになりました。
右の肩甲骨と上腕をつなぐ筋肉がゴリゴリでイデデデッ。

「この痛みがなくなるように背中も腰も動かして逃げてぇ」と私。
背中をそらして腰をひねるおばちゃん。
しばらくして脱力。ゴリゴリ消失。(^^)
これで、ほんの少し痛いだけで、手が挙がるようになりました。
私は、「とにかく痛いのにガマンして体操なんかしないようにしていれば、あとは放って置いても治ってくると思いますから、余計なことはしないで、遊んでいてください(^^)」などと指導する無責任な私でした。


次の人はちょっと太ったおじさんです。
最初、話し方が外人みたいで、「くぉしいてんでふぁ」と、なにを言っているのかわりませんでした。
「よっぱらっているのかなぁ?」とはじめは思ったのですが、そうではなさそうでした。
でもだんだん聞き取ることができるようになりました。

仰向けになって寝たら、洋服が短いのか、ヘソが見えていました。
私は「なんだぁ、ヘソ出ているなぁ(^^)」と言ってシャツを引っ張ってヘソを隠しました。
みんなは、くすくす笑って見ていました。

膝ウラを探っていると、またすぐにヘソがひょっこり顔を出してしまいました。

よくよく考えて見たら、ヘソが出るのはシャツのせいではなく腹が出ているせいでした。
「腹を直さないとだめだなー」とは言いませんでしたが、原因は思わぬ所にあるものです。

そんなことから、このおじさんを「ヘソおじさん」と呼ぶことにしました。

話を聞いてみるとヘソおじさんは、腰が痛いということと、精神科に通っているとのことでした。
無表情で、どことなくかなしい雰囲気がしました。
細かいことはそれ以上聞きませんでした。

目についた歪みは、肘が床から浮いていたことと足指の緊張感でした。

私は即、ヘソおじさんをまたいで立ち、手のゆらゆら操体をしました。
いろいろなゆらしかたをやってみて、どれがイイ感じなのか聞いてみたら、ゆっくり交互に細かくゆらすのが気持がいいと言うので、
「イイ感じが無くなったら教えてよぉ」と言いながらやりました。
「なくなったぁ」とへソおじさん。
これで、肘が床に着くようになり、肩の緊張がほどけたようでした。

次に足の指を一本ずつ調べてみると、指の裏すじがほとんどゴリゴリで、押さえるとイデデデーと言いました。

「押さえると痛くてイヤですか? 」
「イイエ、イイんですぅ」
「こうしてからだがゆれるのはどうですか? 」
「イイですぅ」
「イイ感じを味わってくださいねー」
「ここの四本目の指、ゴリゴリですねぇ、効く感じでしょう」
ヘラヘラ言いながら、くりくりゆらゆらする私。
「少しでもイヤな感じがあったら教えてくださいよ」
「イイ感じがなくなったら言ってください」

ありゃりゃ(^_^;)、ゆれによってまたヘソっ腹が出てきてしまいました。

すみっこで見ていた若い保健師さんが、小走りに出てきて、
「私、としごろなのでぇo(^-^)o」と、見かねてシャツをヒュッと下げてくれました。
みんなは、そんなやりとりをとても嬉しい顔で見ていました。

「もういいですぅ」とヘソおじさんがいいました。

私はゆれを静かに止めて少しそのままにして、今度は土踏まずのところを軽く持って、横にゆらゆらゆらしてみました。
「こんな風に横にゆれるのはどんな感じですか? 」
「いいですぅ」ヘソっ腹を左右に波打たせて言いました。
「さっきのゆれと今のゆれではどっちが気持ちいいですか?」
「これの方がいいですぅ」
完全に予想を裏切る答えでした。
横ゆれを少し味わってもらい、私は頭の方にきて、ヒタイのかわをずらしてみることにしました。
両手の2、3、4指の指先を軽く髪の生え際に当てて、上と下にずらして「どっちがイイ感じですか?」とききました。

「下ですぅ」とヘソおじさんが怒った顔で答えました。
「イイ感じが無くなったら、離しますから教えてくださいよー」
「なくなったぁ」
「上にこうするのはどうですか?」今度は上に引っ張ってみました。
「いいねぇ・・」
「味わってください・・・もうイイと思ったら言ってください」
「もういいですぅ」
「ここはどんな感じですか?」私は頭のてっぺんに親指を当てて言いました。
「いいねぇ」
「こうして上と下と右と左ではどれがイイ感じですか? 」
私はいろいろな方向にずらしてききました。
これは、ただ当てておくだけがいいというので、そのままじっと当てたまま「離してほしくなったら教えてよー」といいました。
「はいっ」とへそおじさん。

「こんな感じに、家で自分でもやってみてください」
「あと、さっきやったように、からだをゆらゆらゆらすのが気持ちよさそうだったので、こんなふうにゆらしてみたらいいですよ」
と、私は座ったままタコ踊りみたいにぐにょぐにょ動いて見せました。

その動きがあまりにも変な格好だったらしく、みんなにゲラゲラ笑われました。
もちろんヘソおじさんも笑っていました。(^^)
よかったよかった。(^^)


次の人は右膝の内側を押すと痛いというおばちゃんです。
「ここが痛いんですぅ」と親指で自分の膝を押して教えてくれました。
「正座したり、しゃがんだり立ったりするときなんかはどうなんですか?」と私。
「そういうときは痛くないんです。ここを押すと痛いんですぅ」とのことでした。

私は、かわの操体でためしてみることにしました。

体育座りの膝の下を両手で包むようにして、外にねじるようにして「どうですか? イイ感じありませんか? 」と、きいてみました。

「あらーっ、イイ気持ですぅ・・」

「味わってくださいー・・・イイ感じが無くなったら離しますから教えてよー、もうちょっと強くした方がいいかなぁ」

「もう少し弱い方がいいみたいですぅ」
「このくらいかなー?」
「そのくらいがイイ感じですぅ・・・」

「もうイイ感じ、なくなりましたぁ」

「はい、今度はもう一回膝の内側を押してみてください」

「あれっ、痛くなくなったぁ」

「ほんとにー?」

「だってほらー、ここだものぅ」
「治ったわー」

「自分でもできそうだね、気持がいいようにカワを動かすんですよ」
あとは、みんながやるのを見ていてください。
このおばちゃんは、これでおしまいでした。


次の人は三十代の背の高い男性で頸椎ヘルニアと診断されている人です。
背が高いので「ノッポ」と名付けます。(^^)

ノッポは首痛、頭痛、肩こりがひどいとのことでした。

仰向けで膝ウラ両方激痛、膝たおしは両方とも腰のあたりが苦しくてできませんでした。

「ふむーっ、今は、どんな治療を受けているんですか? 」

「針治療と整形で首の牽引をしてもらっています」
「首を引っ張られて、気持ちいいですか?」
「いいえ、苦しいです」
「じゃあ、止めた方がイイと思いますよぉ」
「やってもらってつらくなるような治療は、からだに合わないんだから、治りたい人は止めた方がいいんです」

「膝たおしが両方ともつらいときは、どうしたらいいかなぁ?」
私は、みんなに質問しました。
何度か勉強会に参加しているおばちゃんが「それはやんないで、ちがうのをやる? 」と答えました。
「当たり」(^^)

「ちょっと首を右にねじってみてください。今度は左に」と私は膝ウラのこりの変化を調べながらノッポに言いました。
このねじりでは、こりに変化はありませんでした。
「どっちかつらい方はなかったですか?」
「はい」
「今度はアゴを上げるようにして少し上を向いてみてください」
アゴを出すと膝ウラのこりが消えました。
「ほら、そうして上を向くとこのこり、痛くないでしょう」
「ええ、痛くないですぅ」
「はいイイです」私はノッポの頭の方に行き、首の後ろを触診してみました。
左右ともゴリゴリで、クリクリ押すとイテテェーッとなりました。

「この痛いのがなくなるようにアゴを上げて、首から背中もイイ感じになる程度に動いてみてぇ」
「どうかな? 、無理しなくていいんですよ、イイ気持で治るんですからねー、がんばらなくてもいいですよー、そうそう全身で首を気持ちよくするようにぃ」とへらへら後頭部のこりが消えるような角度に絶妙に誘導してゆく私。(^^)

「抜きたくなったら、フーッと力を抜けばいいんですよー」
しばらくして「フーーッ」と心地よさそうに脱力するノッポ。

これで、首のこりが見事にくにゃくにゃになりました。


「さっきの膝をたおす動きをもう一回やってみてぇ」と私。

スイーッ、スイーッ、「あれっ、どっちも楽に動けるようになった」
みんなもノッポもビックリしました。
「首動かして、腰が治ったわぁ」と、ずーっとストーブと仲良しのばあちゃんもまんまる眼でいいました。

調べなかったけど、たぶんこれで膝ウラもくにゃくにゃ。

「ちょっと氷あったよねぇ」私は保健師さんにいいました。
いつのころからか、操体の勉強会のとき保健師さんが氷を持参するようになっていました。
炎症を起こしている人に、私がよく使うからです。

ノッポの首の後ろも熱い感じがしたので、ためしに氷を当ててみました。
「キモチイイ」(^^)
「いままで暖めてばかりいたんですけどぉ」

「どっちでもいいのですが、その時も後味もイイことが正解です」

「首の炎症が正常になったら、氷が冷たくてイヤに感じるから、そうなるまで家でも当ててみてください」。

「みんなも余計なことで頭を使いすぎてボーッとしているときなんか、ためしてみるとイイ感じですよぉ」

その後、正座して頭のてっぺんを腰の方に押してみました。
「これもイイ感じですねぇ」

「やっぱり、牽引じゃなくて頭を上から押すのがいいみたいですね」
「こうして、自分で押さえるようにして、とにかくイイ気持になるように押してやってください」

「まぁ、そんなにまじめにやんなくてもいいから、ふまじめに遊び半分でやってみてください」(^^)

「楽になったわー(^^)」ノッポがいいました。


さて、ここからはみんなで寝ころんで「ひとり操体」の時間です。
膝たおし、カカト踏み込み、カエル足などの基本操法をやります。

今日は会場が狭いだけでなく、平均体重をかなりオーバーしていそうなおばちゃん達がゴロゴロいるので、全員で寝転がることができません。(^_^;

私は「今日は人数がとても多いので、半分ずつに分けてやりましょうね」とウソをいいました。(*^_^*)

「さっきやった人は最初座って見学していてください」

今までは楽しんで見ていた保健師さんたちも、これからは一緒に指導をすることになるのでバタバタと忙しくなります。

「左がだめなときは、右をやるんだもんねぇ」
「ここが痛いときは、どうすんのっしゃ?」
「足を上げるのもあったよねぇ」
「こっちのときはそっちをあっちにしてはだめなのよ」と、あちらこちらで、操法がわいわいごちゃごちゃ始まりました。

「自分で動いてみて、イイ感じがする操体だけやればいいんですよー」
「わからない人は、行きますから呼んでくださーい」と収集がつかなくなって、適当にあれこれ叫んでうろちょろしている私。(^_^;

「しぇんしぇ(せんせぇ)」ストーブばあちゃんがストーブのそばで寝たまま私を手招きして呼びました。

「どうしました?」

「こうやってしじゃ(膝)をたおすと、どっちにしても腰イデんですがー?」

「さっきもやったように、なんか違う操体でやればいいです」
「手でもこうして挙げてみたらどうかなぁ? 」(^^)

右と左を何度か挙げ比べて、考えているストーブばあちゃん。
「こっちが挙げやすいねぇ」と右を挙げました。

「背中とか腰とかも使っていいように動いて力を抜けばいいんです」
上手に背伸びのように動いて脱力しました。
「そうそうそんな感じでいいんです。イイ感じありましたか? 」

「なんだかわがんねぇげど、痛くはねがったね」o(^-^)o

「今度は膝たおすのどうなったかやってみたらいいさ」
「あらまっ、こっちは全然楽になったわぁ、でもこっちがちょっと突っ張って痛いねぇ」と右たおしが楽になったストーブばあちゃん。

「そうなったら、今度はどうしたらいいかなぁ?」(^^)

「右をやる?」(^^)

「そうそう、気持のイイようにやってみてぇ」
ひゅーっと動いてぐにゃっと脱力しました。

「今度は左にたおしてみたらどうかなぁ?」
ひゅーっとスムースにたおれるしじゃ。

「なんだー、なおったねぇ (*^ ^* )V 」とストーブばあちゃん。

「なまったねぇ」私。o(^-^)o


ワイワイがやがやと「ひとり操体」をみんなでやり、そろそろ時間かなーと思っていたら、「ほらほら診てもらえっ」と若いお兄ちゃんが母にせかされて出てきました。

彼は確か腰痛がひどくて、二年前に勉強会のあとで往診し、治療室にも一度きたことのある操体経験者でした。

「おっ、来たなぁ」(^^)

「おかげさまであれから仕事にもついて、なんとかやってますぅ」
と、お母さんがいいました。

お兄ちゃんはにこにこ笑って「足の付け根がときどき痛くなるんですぅ」とおばちゃん達が見ているからか、はずかしそうでした。

「二年前はどんなことを習ったかなぁ?」と記憶力の乏しい私。

「こうしてモモを持って踏むヤツです」

「はいはい、寝ても座ってもできる踏む操体ね」(^^)

「じゃあ、ちょっと寝てみよう」

膝ウラのこりをぐぐっと押さえ「これけっこう痛いねぇ」という私。
お兄ちゃんは、膝を曲げるようにして、足を縮めて「イテッ」と逃げました。

こういう逃げ方をする人は、膝も股関節も曲げたがっているので、膝を抱えてのゆらゆら操体なんかが有効な人です。
逆に、足を踏み込んでお尻を浮かして逃げるような人には、カカト踏み込み操法を使います。

私は、お兄ちゃんの両膝を持ち上げて胸の方に少しずつ曲げてゆき、なんとなくイイ感じの所を一緒に探しました。
大体の曲がる位置が決まったところで、そこからちょっとだけ左右にずらしてゆらしてみて、よりイイ感じの位置でゆらゆらゆらをしました。

お兄ちゃんは、股関節が90度位曲がったところで、少し右にずらした位置でゆれるのがイイ感じだと言いました。
私は「ここを持って自分でやってみてぇ」と言いました。
「どうかなぁ、できそうかなぁ?」
「大丈夫ですぅ」
「感じが変わってきたら膝の位置も変えて、イイ感じのところでゆらせばいいですからね」
「イイ感じがなくなったら終わりにしてよぉ」



お兄ちゃんはしばらくゆらゆらを味わって、やめました。
これで膝ウラのコリも痛みもなくなりました。
「立って歩いてみてぇ」
「いいですねぇ」(^^)
「前の踏む操体もいいときがあるし、今日のゆらゆら操体もいいときがあるので、ときどき好きな方をやってみればいいですよ」(^^)


いつのまにか、もう夜の九時になっていました。
「そろそろ時間ですが、なんか覚えましたかー? 」と私は終わりのあいさつをしようと思っていました。
すると、「せんせぇ、お願いしますぅ」と最後の最後におばちゃんが、ゆっくり、がくっ・・がくっ・・と歩いて出てきました。

このおばちゃんを「モモおばちゃん」と名付けました。
この名前を見ただけで、この後どんな操法をやったのかがわかってしまうようで少し気がかりですが・・・。(^_^;

「どうしましたぁ」

「左の股関節が悪くて後々は手術を勧められているんですぅ」
今52歳で、60歳位になったら手術をしましょう。とドクターに言われているとのことでした。

「どんな風に悪くなっているんですか?」
「? ? ?・・」(^_^;
はっきりはわかりませんでした。

桃生町の保健師さんたちは、以前股関節の手術が決まってベット待ちをしていた女性が、今回のような操体の勉強会に参加したら治ってしまって手術を取りやめにしたという人を知っているので、ますます興味津々です。

モモおばちゃんは膝を立てて仰向けになりました。
膝ウラはどちらかにコリがあったのですが、忘れてしまいました。

私は、モモおばちゃんの左側に座って、左のモモを静かーに包み込むように触れ、内と外に少しだけカワを動かして、どっちがイイ感じかをききました。

即答で「内側がキモチイイ」といいました。
「強さはどれくらいがいいかなぁ? 」
弱、中、強と変化させながら聞いてみると、「弱」がいいとのことで、そのほんのちょっとの力を保持してずらしつづけました。

「イイ感じがなくなったら教えてよー・・」
「どんな感じのイイ感じですか? 」

「ふわーっとして暖かい感じです」(^^)

「その感じを味わってくださいよー」
目に見えるような自動運動は起きてきません。

「どうですか、まだ気持ちよさがつづいていますか? 」

「はい、イイ気持ですぅ」(^^)

それにしても長いなぁ。(^_^;と思いつつ、「ゆっくり味わっていいんですよ」と私。(^_^;)

3分以上はそのままにしていたと思います。 (-_-;)

「はい、もうなくなりました」(*^_^*)

「ほっ」として、じんわりと手を離しました。
「こんな感じに、腰掛けているときとか自分でもやってみてくださいね」(^^)

「あと氷も当ててみようか? 」
「こうやって、つけ根の前、横、後ろと当ててみて、どうですか? 」

「前がいいですぅ(^^)、横はつめたいです (-_-;)」

「家でもこんな風にして、気持ちのいいように当ててくださいね」

「ちょっと立って歩いてみてください」

「痛みが楽になりました」(*^_^*)

よかったよかった。(^^)
「こんなところで今日はおわりにしまーす」
「おそくまでありがとうございました」(^^)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ここまで読んでくれた方、お疲れ様でした。o(^-^)o
 

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