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仙台勉強会ものがたり  2002年5月19日 今 昭宏

ここで仙台の勉強会の様子を特別に紹介する。

登場人物の実名はさけたつもりなのだが、少し似ているのですぐに誰なのかわかると思う。「これあたしだー!」とか思いながら読んで、復習にでもなればそれでよし。


今回は膝裏のコリのさぐりかたと、つま先上げ操法の練習から始まった。

膝裏のコリが大雑把にでもさぐれるようになると、操体をやった後のからだの変化がわかるので、おもしろ味がちがうので最初に勉強する。私が患者さんになり、ひとりずつ膝裏をクリクリをさぐる練習をした。

エリーさんはスポーツトレーナーをやっている。懸命にくりくりコリコリ、私の膝裏のポイントを押さえようといろいろがんばっている。

私は「もっと内側のそのちょい下のそうそう、その辺なんだけどちょっと違うなぁ、押さえる方向をすこーし自分のほうに変えてみてぇ。そこの今のコリッというやつをグッ逃がさないように押さえ込む感じにしてみてェ、そうそうだいぶ近いよォ、私のからだが、ビビッと勝手に逃げ動いたら、上手に押さえたって言うことだからねー」とへらへら教える。

しばらく続けていると「手が疲れるー 」(^^;)と、エリーさんのユビは疲れに疲れ、だんだん手に力が入らなくなってきていた。そんな感じを私はちゃーんと知っていて、こう言う「だいぶ力が抜けてきたようだから、そろそろ上手にできるかもよ」と。そういうとすぐに、ピッと当たって、私の腰がビクッと動いた。「ホラ当たった。たいしたもんだ」。

でも本人は、押さえた実感がなかったという。正直なエリーさんであった。エリーさんも、チカラじゃないんだ。というコツがつかめればいいんだが、初めのうちはこんなもんでしょう。だんだん上手になりますよ。
そして、つま先上げに抵抗する練習だ。私の足の甲に手を乗せてきた。チカラ加減はいい感じで動ける。ふむーでもなんか違う。手が違う。堅い感じだ。手のひらにチカラが入りすぎている。

私はエリーさんの手を取り手の平をちょんちょんとつっついてみた。堅い。「もっと力を抜いてぇ、指のチカラも」。堅かった手の平のカワが、ふにゃっとなった。この手だよこの手。この柔らかいままで、甲に当ててぇ。と私は寝ころがる。エリーさんはやわらかい手で抵抗してきた。ひえーっうまい。さっきとは雲泥の差。気持ちいい。チカラの入れ方もいい感じ。あとは、自分も気持ちよく動きながら抵抗ができるようになることです。エリーさんはとても言葉の誘導がうまいので、びっくりです。



次は菊ちゃんの番だ。菊ちゃんは整体をやっている先生だ。くりくりしながら、中指でさぐるのか、人差し指でやるのか迷って私にきくちゃん。私は「どっちでも押さえやすいようにすればどうでもいいよォ」といつものようにやさしかった。菊ちゃんの指はチカラがあった。ぐりぐり探っているのだが、エリーさんと同じく、ポイントが少しだけずれている。やっぱり、疲れてきた頃にピッと当たった。大体実感できたようだった。そして、そのままつま先上げ操法をやることになった。

菊ちゃんは操体の本を読んだり、私の操法を一回受けたりしているので、抵抗のかけ方は上手にできるものと思っていた。

私は「抵抗してみてぇ、つま先上げるからぁ」と菊ちゃんにいった。私の足の甲に手を当てて抵抗してきた菊ちゃん。私はつま先を上げようとしながら「うっ、うっうううっ重、重いっ、重くて上がらない」と、うなってしまった。「最初はもっとかるくしてぇ」と私。

菊ちゃんは軽くしているようだったが、まだ重い。動けないのだ。「もっとかるくぅ」軽くする菊ちゃん。まっ、まだ重い。もうちょっとかるく。んんんーっ、やっと動けた。「こんなんでいいんですかぁ」とびっくり菊ちゃん。

つま先がズスーッと上がって、いいところ、止めてほしいところがきた。あれっ止まらない。とおりすぎてしまって、今度は抵抗が弱すぎー。腰が連動して動きたいんだけど動けない。「もうちょい下のこの辺で、抵抗を強くして押さえてぇ、そうそうその辺うまいうまいそれでいいよ」と全身が連動して気持ちよく動けた。私はしばらく気持ちいい動きを味わい、じわーーっとチカラを抜いてため息をついた。

菊ちゃんは見ているだけではわからない抵抗の微妙なチカラ配分を体で知ったことだろう。バッチグウでしたよ菊ちゃん。ちょっとしたコツさえつかめばだれだって上手になってくるのだ。実は菊ちゃん、この日の最後になんともいえない体験をしている。アゴ
操体であった。

これは、ぜひ本人のカキコに期待したい。菊ちゃんよろしくネ。



新温古堂ものがたりで、抵抗の極意として、かける人も気持ちよく動きながら抵抗することを書いた。できてしまえば簡単なことでも、できるまでがむずかしい。菊ちゃんもエリーも、足の甲に手を添えて抵抗するのだが、腰が入っていない。俗に言う小手先の抵抗になっている。

正座した位置から自分のからだを気持ちよく動かして抵抗するには、相手の足の動きにつれて、お尻を浮かして体重を乗せ、手の平のチカラを抜いて、ふんわりどっしりとかけてゆくような感じにする。もちろん、何グラム乗せるなどと決まっているわけではない。

ただ、なんとなく実感しやすくするために、目安の角度変化に応じた重量変化を出してみたので参考にしてみてほしい。まず最初の、動き出す前の角度0度は500グラム。動き出して30度までが1000グラムを保ち、40度最快適点で2000から3000グラムでたわめる。大体こんな気持ちでやる。なんとなく理解できただろうか。最初の菊ちゃんのヘタクソな抵抗は、0度で5000グラム程だったので動けなかった。ぜひ体重計かなんかでどのくらいなのかテストしてみてほしい。

私は、40度最快適点で3000グラムの抵抗を受け、たわめて味わっている。

カカトが床を押し、腰がねじれて背中から首、腕から手の先まで、全身が気持ちのいいスムースな連動を導き出されてしまった。と、なったのは後のことだった。

抵抗が2000グラムと軽いと、連動が生み出されずに、気の抜けたものたりない感じになり、逆に4000グラムと重いと、動きがロックされて連動どころかケンカ腰になる。

3000グラムというのは結果がそうだっただけのことで、ここで大切なのは、どんなところからその重さがちょうどいいと決めたかだ。ちょうどいいのかどうかは、相手と相談しながらやるとともに、大体次の四つのことを観察し、体感しながら抵抗重量をきめるといい。


一番目は顔をヨォーク見ていること。二番目はからだ全体をボーッと眺めていること。三番目は、手の平のカワに受ける繊細な感覚。4番目はからだ全体に受ける微妙な感覚だ。

つまり、相手の動きがはじまったら、顔に焦点を当て、からだ全身を眺めながら、気持ちのよさそうな表情とからだの動きを道標にして、刻々と手の平とからだの感覚を総動員して抵抗重量を加減させ、相手と自分の気持ちよさに合わせるのだ。

こうして抵抗だけでも文章にしてみると、何秒かのうちにとてつもなく大変な作業を、いとも簡単にやってしまうようになるのだから、操法をする人はエライものだと思う。ましてや、これに言葉での誘発や確認も必要だし、ほめたりしかったりもするのだ。

やれやれ覚えることがたくさんあって、何よりです。ためしてみてください。


菊ちゃんとエリーさんが、私にあーだー、こーだー、と注意されたりほめられたりして練習する様子を、アリーさんはすぐそばの柱によじのぼって見ていた。ごめん、よりかかってみていた。「そんなむずかしいことアタシにゃムリムリ」と顔が言っている。

N田さんとT口君は何度も勉強会に来ているベテランだ。操法は大体上手にできる。

エリーさんが患者の係になってベットに仰向けになった。ジーンズをはいていたので次からやわらかいズボンをはいてくるようにお願いした。
アリーさんが膝裏を探る練習がはじまった。やはり、中指がイイとか人
差し指が押さえやすいとか言って一生懸命クリクリしてはいたのだが、とうとうコリには当たらなかった。きっとコリがなかったのだ。ジーパンのせいもあるし。私はそう思ったが言わなかった。

アリーさんは残念そうにしていたが、笑ってごまかして、いつもの柱のところへ行った。

実は先日、アリーさんは私の膝裏で特訓して上手に押さえられるようになったのだった。でも今日はヘタ。膝裏って人それぞれみーんな違うのだ。だからむずかしいのかも。

今度はアリーさんが患者の係だ。私は頭の方からニコニコ見ている。T口君が膝裏を探った。すぐに「イッターイ!」とアリーさんのからだは逃げ動く。

ここで一句。「T口君、さすがベテラン、遠慮なし、腕は確かだ、ヒザウラのコリ」。

「押された後がスッキリするのよねぇ」とびっくりアリーさんであった。N田さんも探った。一発でつかまえた。アリーさんの顔がヒエーッとなった。

こうして何度も押さえたり押さえられたりして練習してゆくと、だんだんベテランになってゆく。それしかないのだ。

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